11月号 受験科担任より
ノーベル賞<あるいは松坂の一夜> 兼田浩一郎(受験科担任)
2008年のノーベル賞は物理学賞に3人・化学賞に1人と合計4人の受賞が決まりました。さまざまな報道がなされましたが、ここでは<知の伝統と継承>という観点でこの喜ばしいニュースを考えてみます。
1949年の湯川秀樹の受賞に始まって、物理学賞の日本人受賞者は7人・化学賞は5人となりました。日本人の受賞者は過去16人ですから、物理・化学分野の受賞がいかに多いかがわかります。優れたパフォーマンスを発揮するためにライバルの存在が大きな役割を果たすということはよく言われますが、先人達が切り開いた<知>が<伝統>となり、その連綿とした<継承>が今回の大量受賞につながったという見方もできると思います。
本居宣長と賀茂真淵のたった一度の対面が近世国学の大きな発展を促したという有名な逸話を引くまでもなく人と人とのつながりこそが学問の進化に寄与するのです。
これは学習にも通じる面があります。一定の成果を上げるには孤独な作業が不可欠です。しかし、授業で触れた先生のたった一言や、友達の解き方・考え方の片鱗が<松坂の一夜>となるかもしれません。
それぞれの学校には校風というものがあります。まだまだ歴史の浅い志成館予備校ですが、良き伝統を作り出してそれを継承していきたいものです。
2008年11月06日 08:57










